多摩美術大学映像演劇学科について

映像演劇学科は、楽しいところではない。楽しむところである。表現を楽しみ、知を遊び、探究心を育む。自分を楽しまなければ、他を楽しさには引き込めない。私たちの“生”は誰かからの贈与だ。プレゼントされたらお返しをしなければならない。表現すること。人の心を動かすこと。それがお返しという行為である。映像演劇学科は、お返しを楽しむ者たちの幻想のコンサート・ホールなのだ。人と人との最短距離は、直線ではない。 表現(ゆめ) なのだ。
 
ライヴ表現としての特質を持つ演劇やダンス、記録表現としての特質を持つ映画や写真。これらの多彩な領域を往還可能なカリキュラムの中で、一人ひとりが独自の〈表現〉を探っていきます。企画立案から作品制作、公開発表のプロセスを繰り返し、実践を重ねます。プロデュース力や創造力を磨き、主体的な表現活動を継続していく人材を育むため、演劇と映像の両領域を〈身体〉というメディアに繋いで〈表現〉を発信することを目標とします。“身体”“空間”“映像”を網羅するカリキュラムは、学生が自ら企画を提案し、創作に邁進する【表現活動(FIELD TRIAL)】を中心に、専門理論や歴史を学ぶ【講義学習(STUDY)】、専門技術の演習を行う【技術修得(METHOD)】によって構成されています。

教育内容&課程

授業群には、“基幹”→“専門基礎”→“専門”→“応用”の段階を設けています。“基幹”科目は1年次の必修とし、2年次以降は学生が選択し、“専門基礎”から“応用”と段階的に履修していきます。4年次には4年間の表現活動や理論研究の集大成となるGRADUATION PROJECT(卒業制作)があります。
FIELD TRIAL
FIELD TRIAL(通称FT)を中心に「卒業制作」に至るまで、作品の公開発表が4年間に6回あります。1年次の必修科目「表現基礎」はFT群の基幹科目です。演劇と映像の両領域を基礎理論、基礎演習を通じて学び、年度末課題は「企画制作実習」です。企画立案を行い、プレゼンテーションを通じて制作チームを構成し、制作された作品は学生プロデューサーチームによって運営する公開発表に参加します。この「企画制作実習」を2年次以降も重ねます。2、3年次の必修科目「表現Ⅰ」「表現Ⅱ」は、FT群の“専門課程”に位置します。FT群で制作された作品は、国内外のコンペティションへも積極的に参加し、高い評価を得る作品も数多くあります。

STUDY

1年次の必修科目「今日の表現Ⅰ」はSTUDY群の基幹科目です。様々な評判・最新の作品を鑑賞することや、作家を招いての講義、交流を行います。また作品、作家研究を批評的な言葉に表していきます。2年次以降は、演劇、映画、空間、プロデュースの分野から選択履修し、専門的な知識を学びます。さらに、プロデュースの分野では、インターンシッププログラムも実施し、表現活動の現場での実習を行っていきます。

METHOD

1年次の必修科目「基礎演習Ⅰ」はMETHOD群の基幹科目です。身体基礎、空間基礎、映像基礎の中から選択履修し、専門技術の基礎を修得します。2年次以降は、身体、空間、映像の分野から選択履修し、専門的な技術を修得します。そのうち「専門演習Ⅰ」「専門演習Ⅱ」ではグループワークで演劇、映画の課題制作を行い、その作品を公開します。「専門演習Ⅲ」「専門演習Ⅳ」は集中実習型の演習です。

GRADUATION PROJECT

「卒業制作」は4年間の学びの集大成であり、卒業後の表現活動の出発点です。審査、講評を経て独自の表現を発信します。「表現研究ゼミ」において、各自の専門性を掘り下げ、卒業制作に繋げていきます。


多摩美術大学美術学部演劇舞踊デザイン学科

美大で舞台を学ぶ。
それは、どういうことでしょうか?

 
舞台とは総合芸術です。その創造に向かって、イメージ豊かな表現力や造形力を持つ俳優、舞踊家、演出家、劇作家、舞台美術家、照明デザイナー、衣裳デザイナー等を育成することが当学科のねらいです。
 
 
授業では徹底した実践性に重きをおき、各分野で第一線のプロとして活躍する教員が現場性をもって、身体表現のメソッドや上演実習、スタッフワークの技術指導等を行い、これからの舞台芸術を担うプロフェッショナルな表現者を育成しています。
具体的には「演劇舞踊コース」と「劇場美術デザインコース」の2つのコースが専門性を高め、コラボレーションしながら舞台上演を学びます。俳優や舞踊家志望の学生にも美術造形の実習があり、芸術的な感性に日々磨きをかけて、ユニークな舞台づくりを目指しています。
 

演劇舞踊コース

1・2年次には演技、ボイストレーニング、ダンス、デッサンや造形などの総合的な演習で演劇と舞踊の基礎となるスキルを徹底的に習得していきます。演技もダンスもトレーニングできること、俳優や舞踊家志望の学生にも「美術造形」の実習があることが特長です。3・4年次には演劇と舞踊の専攻に分かれ、「演劇表現演習」で演技、演出、劇作を、「舞踊表現演習」でダンス、コレオグラフィーを専門的に学び、卒業制作へと発展させます。
 

劇場美術デザインコース

1年次にデッサンや色彩構成などの基礎的な造形力と、講義、製図、模型製作、コンピューター演習などで劇場美術の基礎となるスキルを徹底的に習得します。2年次には舞台美術、映像美術、照明、音響、衣裳などカテゴリー別演習を履修し、将来のデザイナーとしての方向性を見つけます。3年次には「ゼミ方式」でカテゴリー別演習の専門スキルを高め、それをもとに4年次に卒業制作に取り組みます。
 

基礎教育と現場性の重視 

「演劇舞踊」、「劇場美術デザイン」両コースとも基礎となるスキルの習得にじっくり腰を据えて取り組みます。また「教養/専門講義」として欧米と日本の演劇舞踊史、身体表現論(伝統芸能、バレエ、コンテンポラリーダンス)、劇場文化論(オペラ、バレエ、ミュージカル)、劇場美術デザイン史、映画映像史などスキルの習得に連動した幅広い理論系科目を履修します。
それとともに現場性も重視しています。観劇にはゲネプロ見学やバックステージ・ツアーを組み合わせ、またドラマや映画の制作現場見学とスタッフワークを組み合わせるなど、制作現場の実践的な理解と体感を高める演習を提供しています。3・4年次には「上演制作実習」で演劇舞踊スタジオや外部の劇場を使用し、両コースが連携して実践的な上演制作を行います。こうして数多くの体験型授業を積み重ねて最終的に「卒業制作」に繋げていきます。